零 −刺青の聲− 1日目

+1時間7分
何年も前からプレイすることを決めていたソフトだが、零シリーズの3作目にして最終作であり*1、このゲームをプレイすることはシリーズの終了を意味する。だからなかなかプレイできなかった。今までは何かと別のゲームを買う機会があって優先的にプレイしていたものの、もう手持ちのゲームはほとんどやり尽くしてしまった。引き延ばしていても仕方ないので、ここらでプレイすることにする。

夢マクラ

今までの「屋敷や村に迷い込んだ主人公が、屋敷からの脱出を目指す」というパターンと違い、今回は主人公が迷い込むのは夢の中である。夢だからといって屋敷の構造が無茶苦茶だったり主人公が空を飛んだりといった荒唐無稽な現象が起こるわけではなく、これまで通り屋敷内を探索できるものの、「でも結局夢だろ?」という印象は拭えない。

夢なら覚めればよいだけで、主人公の目的が何なのかわからない。もちろん夢の中で死ねば現実でも死ぬのだろうが、得体の知れない屋敷に迷い込んだのならともかく、やはり夢なのである。感情移入がしにくい。「実は夢でした」ではなく、最初から夢であることがわかって探索する。夢オチの逆だから夢マクラといったところか。よくある設定だとは思うが、「夢の中を探索して謎を解くヒントを探す」というのがどうも間の抜けた話のように思える。

だいたい夢は所詮夢である。鮮明とはいっても限度がある。夢の中にある物について、一つ一つ「長い間使われた形跡はない」とか「中には何も入っていない」とか主人公がコメントするのもどこかおかしい。寝ている間は霊魂的なものが実際に別の場所に飛んでいる、という事なら違和感はかなり減る。

第一章

プロローグといった感じで、探索は短く、戦闘も1回だけだった。最初に襲いかかってきた親子の霊は、最初だけあって行動パターンはかなり単純だった。ただ体力がかなり多く、なかなか倒せなかった。二人同時に襲いかかってきているようだが、母親とだけ戦っていてもダメージを受けなかったところを見ると、娘の方は特に気にしなくて良いらしい。

その後、やたらくっきりした女性が出現した。このゲームは霊もくっきりしているが、その女性のくっきりさ加減は霊の比ではない。恐らく生存者なのだろう。

このゲームで生存者が出てくるのは珍しい。まともな精神状態ではなく、パッケージにも登場しない。重要な人物ではなさそうだが、途中で死なれないか心配だ。最初から死んでいるならともかく、生きていた人間に死なれるのは気分が悪いからだ。

見るからに最終ボスのような女に追いかけられ、玄関を出たところで夢から覚め、主人公の自宅に戻る。あっさり平和な場所に戻るのは斬新ではあるが、物語の緊張感も削がれている。現実と夢を行き来しながら謎を解いていくという事なのだろうか。ずっと夢での探索だと辛い。

第1作は一つの大きな屋敷が舞台で、庭以外の外に出ることはなかった。第2作は複数の屋敷があり、村の中を自由に移動できた。霊がいる場所とはいえ、外に出ると解放感が得られたわけだが、今回は野外どころか平和な現実に戻ってしまう。屋敷と直接繋がっているわけでもなく、毎回自宅に戻られると、物語が分断されているような感じがする。

自宅

自宅の中は自由に移動できる。屋敷のように暗くなく、霊の気配は全くないはずだが、何か恐ろしい。BGMがないからかも知れない。はっきりとした年齢はわからないが、20代中盤頃のカップルが住むにしては立派な家だ。

家には助手の深紅も暮らしている。深紅は第一作の主人公である。カメラマンである主人公の助手というくらいだから、まだ20歳前後か。つまり第一作からさほど経っていないということである。公式サイトで深紅が出ることは知っていた。気になるのは2作目の姉妹の行方だ。この作品に登場するという天倉という姓のキャラクターと姉妹との関係が知りたい。

これは最後の方で明らかになると思っていたが、自宅の探索中にあっさり判明した。登場する天倉にとって、姉妹は姪に当たるそうである。主人公と同年代の男の姪ということは、恐らくまだ若いのだろう。勝手なイメージで、第2作は第1作や第3作よりも数十年前の出来事だと思っていた。だからこれまた勝手に、天倉なんとかは澪の息子か甥くらいだと思っていた。何故そんなイメージを持っていたのか知らないが、結局第1作と第2作は同時期で、第3作もせいぜい数年後という感じらしい。

深紅の兄は死んでいるようだ。一番綺麗に纏まっているエンディングが取り入れられているのなら、第2作は繭が死に、澪が失明しているエンディングが採用されているのだろう。

おっぱい

今回の主人公は今までと違って学生*2ではなく社会人であり、子供ではなく大人である。女の子供と大人の最大の違いは何かと言えば、恐らく100%の人がおっぱいと答えるだろう。私は大人の女なのよと言わんばかりに、この主人公は初っ端から谷間を見せつけている。

今までの主人公はクリア後のコスチュームでもない限りはお淑やかなものだった。この主人公はハレンチだと思う。悪夢内では布一枚になって殺されそうになるし、自宅で夜になると着替えてさらに露出度が上がる。ホラーにエロは欠かせないかも知れないが、エロ目線で見るべきなのか怖がるべきなのか迷ってしまう。

最終ボスっぽい入れ墨の女に至っては半裸である。本来避けるべき悪霊だが、あんな外見ではむしろまた会いたいと思う。今回はエロ要素が強めなのか。ホラーとしてその方面に進化するのはいかがなものだろう。

舞台が夢の中で、この先どのように話が展開していくのか興味深い。他のキャラクターも操作できる事はわかっているが、どうやって切り換えるのだろうか。それぞれの人物が夢を見た時に、共通の世界へ行くのだろうか。そうであれば、霊魂が移動している可能性は高いだろう。

*1:と自分では思っている

*2:だったと思う