＋１時間１５分
レベルを上げようにも、エンカウント率が低い。探索時には便利だが、レベルを上げようと思うと不便だ。そのためのマーフィーズゴーストなわけか。何の事だかよくわかっていないが。
全滅してもリスクがないのだから、まずは探索を進める。地下二階は南側に進むと戻れなくなるため、一旦北半分を探索する。何か起こりそうな場所はあるものの、現状では何の条件も満たしていないようだ。宿屋跡地などにはゴーストが出現する。やはりダメージを与える術がない。何となく武器で攻撃できるRPGしかやって来なかったから、ガチの幽霊は困る。逃げるしかない。
鍛冶屋後では「何かに気付いた」とメッセージが表示されるも、何の進展もない。そもそも冒険者は何のためにダンジョンに潜っているのだろう。それは愚問なのか。説明書を読むとダンジョンを制覇するために潜っているそうだ。なるほど、ダンジョンを制覇するためにダンジョンに……。
２
全滅覚悟で南側に進む。適当に進んでいる内に北側のフロアに戻っていた。X19から東に進むとX0に移動するらしい。そんな事初めて聞いた。RPGのフィールドは上下と左右が繋がっているが、ダンジョンでその発想はなかった。一体どういう形をしているのか。
戻るためには二箇所の回転床を突破しなければならない。回転床の仕様もよくわからない。回転先がランダムなのか決まっているのか確認しておいた方が良さそうだ。毎回方向を確認しなければならないのだとしたら、なかなか厄介な仕掛けだ。
戻る手段があることだけはわかったが、それ以外は何も進展していない。レベルは多少上がった。仲間のビショップが識別できることもわかった。高い金出して店で識別してもらっていたのは何だったのだろう。
ダンジョンの中でもセーブできるらしい。危険な罠だ。保険のためにセーブしたつもりが、既にその時点で全滅が確定していたという事も十分有り得る。絶対に戻れる地点でのみセーブする。このゲームに絶対というものがあるかどうかは知らないが、まだ十分大丈夫だろう。
一体いつ終わるのだろう。全く進んでいない。この手のゲームは一度ダンジョンの中身を把握してしまうと、攻略時間が数分の１に短縮されそうだが、逆に言えば初回はボリュームの割にかなり時間がかかるだろう。ふと思いついた。最初から行ける中で一番難しいダンジョンに潜って強い敵を倒せば、簡単にレベルが上がったり金が貯まったりしないだろうか。勝てる確率が１０％でもあるなら、その方が格段に効率的だ。無理か。
