今週もひどいドラゴンボールZ劇場版 極限バトル!!3大超サイヤ人

前作では既に神がデンデになっていたが、今作のトランクスはどう見ても精神と時の部屋に入る前である。時空がねじ曲がっているようだ。前作にしてもデンデの部分のみ時間が進んでいて、悟空達の強さは人造人間編序盤という印象を受けた。

悟飯は夏休みになると予備校に通わされるらしい。ドラゴンボール世界に「夏」なんてあるのか。あまり季節を言い表す言葉は聞いた覚えがない。おっと、ブルマは夏休みを利用してドラゴンボールを探していたんだった。知ったかぶりはよくないな。揚げ足取りして間違ってるなんて一番こっ恥ずかしい事だ。もっと謙虚に生きたい。

今作の敵である人造人間は、ドクターゲロのコンピュータが生み出したという。つまりこの世界は、セルの代わりに13〜15号が作られた世界だということだろう。他の人造人間を吸収するという設定もセルと酷似している。しかしどちらにせよ17,18号は存在していたわけで、この世界がどういう状況になっているのかよくわからない。17,18号を倒したわけではあるまい。勝手な判断だが、今回の敵が17,18号以上には見えない。合体13号がせいぜい17号と同等くらいだろうか。

ベジータはお決まりの「勘違いするな、助けに来たわけじゃない。」で登場。半分は笑えるが、もう半分は「もういいよ」という気持ちになる。さすがに毎回同じ事を言われると辛い。周りも「また言ってんぞこいつ」と思っているのではないだろうか。

タイトルは「3大超サイヤ人」だが、3人のサイヤ人達はなかなか超サイヤ人になろうとしない。クウラの時はまだコントロールできていなかったと解釈できたが、今回は超サイヤ人にならない理由がない。相手の力を見くびっているのか、残りの尺を考えて変身するタイミングを窺っているのか。「オラ達の力を見くびってっぞ!」とお怒りの悟空だが、手加減してるのはそっちじゃないすかぁ……。

超サイヤ人状態に体への負担があると言われたのは後々のことで、この段階では超サイヤ人化のデメリットといえば「体が軽い興奮状態になる」というくらいのものだ。それにも拘わらず超サイヤ人になろうとしないのは、安易にピンチと盛り上がりを演出しようとするためだと思えてならない。こんなの、小学生だって「なんで超サイヤ人に変身しないんだよ!」と思うに違いあるまいよ。

おなじみの展開の後、超サイヤ人になれるようになったにも拘わらず、悟空は元気玉を使い始めた。え、まぁ〜た元気玉っすか。ベジータに使ったのが半分の威力だったとしたら、地球の元気玉で倒せるのは単純に考えてせいぜい戦闘力3,4万までである。劇場版ではもっと強い敵を倒してしまっているが、それでも今の敵の強さと比べればずっと格下だろう。ナメック星と周囲の星々の元気ですら……あ、今「全ての元気」って言ったな。まさかまた原作を先取りしたのだろうか。それとも「全てのものの元気」という意味なのか。全ての元気と言っても、吸われた地球人が疲れたようなシーンもないし、無理矢理元気のほとんどを吸い取ったとは考えにくい。やはり通常の元気玉と同じと考えるべきだろう。

そうなると、今元気玉を使うのは場違いな感は拭えない。超サイヤ人になると使えないからというより、単に威力不足だからだ。「元気玉でも倒せなかったフリーザ超サイヤ人になって倒した」という前提があるわけだから。

元気玉超サイヤ人でも使えるか使えないかという事は大した問題ではないのだが、クリリンが言うには「邪悪な心では元気玉は作れない」という。超サイヤ人は邪悪だったのか。建前ではおだやかで純粋な心を持っていないとなれないはずだが、言わんとしていることは何となくわかる。超サイヤ人は不良ということなのだろう。

超サイヤ人になると元気玉のエネルギーが消え始めた為、悟空はそのエネルギーを吸い取って13号を撃破。GTでも似たような展開というか、元気玉発動中の悟空が敵の攻撃を一切受け付けない状態になっていた。ある意味先取りしていたと言えるだろう。超サイヤ人になってからの劇場版は、割とその場の勢いで何となく敵を倒すことが多かったが、今回は元気玉頼りとはいえ、一応理に適った倒し方だった。もっとも倒し方は勢い任せと元気玉(気を分けてもらう)くらいしかなく、どちらが良いとも言えない。たださすがに元気玉は「もういいよ」と言いたくなる。

色々モヤモヤしたところはあるが、合体13号は見た目が強そうで良かった。やはりマッチョ=強いなのか。