零 −刺青の聲− 39日目

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燃え尽きたらしい。全然やる気が出てこない。タイムアタックだけでなく、×を探すという重大な使命がまだ残っているというのに。ただ一つの懸念がある。絶対領域というのか、×の下の部分が黒くなっていて、角度を変えたところで見えそうにないのである。2作目があまりに無防備だったから、今回は規制が入ったのだろうか。怜はチラチラとモヤじゃない黒い何かが見えている事はあるが、深紅は×の下が完全ガードされている。気がする。どうでもいいことだが。

2作目ではお姉ちゃんと一緒に行動できたからまだ色々チャンスがあったが、今回は一人行動しかできない。3人も操作キャラがいて、屋敷の中で鉢合わせにならないというのはどういうことなのか。瀧川吉乃氏の夢と怜の夢はリンクしていたではないか。会ってからリンクしたならまだしも、初対面が夢の中である。会っている事や知り合いである事が夢で会う条件ではないのだから、会っていて知り合いの深紅や螢と会ってもおかしくはない。

このゲームは、シナリオやゲーム上で面倒になる事を極力避けて出来上がった、という気がする。挑戦心を持って欲しかった。夢の中で3人が出会ったからって面白くなるかどうかは全然わからないが。なんだかんだで企画の時点では、素人が考えつくようなアイデアは大概出尽くしているわけだ。その数多のアイデアが削ぎ落とされて作品は完成する。スタッフからすれば、「そんなアイデア初期段階で没ってんだよ!」といったところかも知れない。

全く話は逸れるが、ワンピースという漫画にはゾロという剣士のキャラクターがいて、物語の中で2年経った時に片目が潰れて再登場するのだが、没デザインの中には両眼とも健在であるパターンも結構あったのである。剣士が片目というのはありふれたデザインだとはいえ、当初健常者だった者が障害を持って登場するというのは漫画といえどショッキングであり、自分としては「何故両眼があるデザインを採用しなかったのか」と思ったものである。

没になったデザインや設定などの方が、採用されたものより魅力的に思える事はよくある。この作品の没案があれば是非見てみたいものだ。多分、夢の中で会うシナリオもあったんじゃないかと思う。