西暦2015年、はてなポイントのギフト券への交換が突如廃止された。他に換金手段は一切ない。はてなポイントそのものを今後段階的に廃止すると発表しながら、何の動きもないまま数年経過した。用途の乏しいはてなポイントという制度をいつまでも残したのは、廃止によるポイントの払い戻しを避けていたのではないか。企業としてあまりにも遅すぎる対応であり、不誠実だった。

用途も交換手段もない中ポイントの有効期限は一年のままであり、変動がないまま一年を過ぎると容赦なく失効する。いつか来るであろう払い戻しの日まで失効しないように、時折ポイントを変動させなければならなかった。使用手段が極端に限られているため、1ポイント増やすのも減らすのも困難だった。回答するとポイントが得られるアンケートを見つけて、どうにかポイントを維持した。アンケートを行っているのはユーザーである。はてなが自腹を切ってアンケート企画を行っていたわけではない。たまたま有料アンケートを実施するユーザーがいたからポイントを維持できたが、そうでなければ不要なブログの有料サービスなどを使うしかなく、払い戻しが行われる前にポイントが尽きていただろう。

生殺し状態は何と7年も続いた。恐ろしいまでの対応の遅さである。この間に払い戻すべきポイントはどれほど減った事だろうか。西暦2022年の暮れになってやっと廃止のスケジュールを具体的に発表し、西暦2023年夏になってようやく払い戻しの受付を開始した。申し込みから一カ月経ち、無事ポイントの払い戻しは完了した。無事といったが無事ではない。7年という月日はあまりにも長過ぎる。失うには微妙に痛い金額を維持するために、失効しないように気を配るのは実に面倒な事だった。やっと終わった。