今週も間延びしているドラゴンボールZ #199

超サイヤ人の悟空の気に驚くパイクーハン。本当にセルを一撃で倒したパイクーハンか?パイクーハソじゃないのか?パイクーハンの双子の嫁の父方の祖父の実家の近所に住んでた魚屋の息子が会った事もない赤の他人の……。

バトル漫画の強さ考察には主人公補正という用語がある。多分2ちゃんねる界隈でしか使われていないと思うが。主人公の負けられない、活躍しなければならないという立場によるアドバンテージを考慮して、作中の描写よりも実際は弱いとする考え方だが、主人公補正ばかり考えても全く意味がない。作品がエンターテイメントである以上、敵補正も存在する。敵の強さを際立たせるため、必要以上に敵を強く描き、また主人公を弱く描く。よくある事だ。ノンフィクションでさえ脚色演出は付き物なのだから、フィクションでは尚更強調される。この戦いは「セルを一撃で倒したはずのパイクーハン相手に、悟空が主人公補正で互角に戦えている」というより、「セルを一撃で倒したはずのパイクーハンの敵補正が解除されて、悟空と互角にまで弱体化」であるように感じられる。

もっとも補正だ何だと喚いたところで、アニメの世界ではパイクーハンがセルを一撃で倒し、セルが元の強さではなかったといった説明もされていない以上、パイクーハンがセルより圧倒的に強い事は事実である。そして悟空が黒髪ですらそのパイクーハンと互角に戦い、また大会中に成長したと言われている以上、数回の試合でセルを上回る強さを得たと考えるのがシンプルな解釈だ。無茶苦茶やね。

ハイパートルネードという、ロックマンにありそうな名前の技で悟空を苦しめるパイクーハン。悟空は竜巻から逃れるため「スーパー界王拳」を披露。超で出てきた時、ボロカスに扱き下ろした技がこんな時に出ていたとは思わなかった。この戦いは、超のセルもどきとの戦いとの共通点が多い。GTや超は突然出てきたわけのわからない作品ではなく、やはりZや初代ドラゴンボールの延長線上にあると強く感じる。
パイクーハンはサンダーフラッシュと言いながら火炎を放射。フェイントなのだとしたらセコい。最初に雷のエフェクトがあるように見えるから、雷で炎を起こすとかそういうノリなのだろうか。ややこしい。結果として炎が出るなら炎の名前を付けたらどうか。
よくわからんが「3度も技を見せたから動きが見えるようになった」という聖闘士理論でパイクーハンの技を破った悟空が勝った。他の作品でもよく見かける気がするが、「何度も見たら技を見切った」というのは雑な理由だ。何度もというだけマシなのか。確かにサンダーフラッシュは、見るからに隙だらけの無駄な動きが混じっていた。あれせんと撃てないなら、そんな技やめよう。