今週も間延びしているドラゴンボールZ #195

閻魔帳には悟空について「地球を救った」と書かれているようだ。界王を犠牲にして地球を救うという行為は、あの世では評価されているのか。前も書いたが、界王に認められた者にしか肉体を与えられないと序盤で散々言っておきながら、地獄に落とされたセルは裁判の段階から既に肉体を持っている。他の地獄の住民も普通に肉体を持っている。それについて何の説明もない。
地獄でセルがフリーザ達を従えて暴れていた。フリーザは最初は最終形態口調だったが、また敬語に変化した。この段階からフリーザ=敬語なら、後の映画やアニメでそうなっているのも仕方ない。しかしセルの裁判が早すぎないか?ラディッツも悟空があの世へ行く頃には終わっていたから、こんなものなのか。
パイクーハンがセルを一撃で倒した。まるでわかっていない。あれだけ苦労して倒したセルを、ポッと出の使い捨てキャラに倒させるか?ドラゴンボールはインフレしているとは言っても、ここまで雑なインフレはしない。だいたいセルを倒したのはつい最近の事だ。現実の時間でもストーリー上でも最近の事で、新たな敵の存在も明示されていない段階からこんなインフレは許されない。年月や新たな敵といったクッションを挟んでからインフレしなければならない。
後のビルスのように、パイクーハンが絶対的な強者として描かれるならいい。そうではない。すぐ後で恐らく悟空と互角の戦いをする。今の悟空とセルはまともな勝負など全く成り立たない。それより強いパイクーハンとなど、ミジンコとカブトムシくらいの差がある。なのに良い勝負をさせちゃう(であろう)時点で、パワーバランスというものが如何に大事かわかっていない証拠だ。インフレバトル作品こそパワーバランスを軽視してはいけない。雑魚が突然強くなったり、強者が突然弱くなったりしたらハラハラしなくなる。緻密とは言えないまでも、ある程度の説得力があるインフレだからこそ、「こんな奴にどうやって勝つんだ」と読者に思わせられる。
強さを変えるには説得力を持たさなければならない。何故セルに勝てなかった悟空が、パイクーハンと互角になるのか?きっと何も説明しないだろう。たとえば「戦いの最中に成長したから」は説明になっていない。セルとの戦いでは強くなってないから整合性を欠く。「超」とどこまでスタッフが同じなのか知らないが、滅茶苦茶なパワーバランスになっている事も頷ける。