今週も不安なドラゴンボール超 #07

ゴテンクス超サイヤ人にすらならず敗北。一時は悟空も超えていたか同格だったはずが、すっかり「その他」になってしまった。悟飯ですらその他なのだから仕方ないが、いくらドラゴンボールがインフレバトル作品とはいえ、前シリーズの最強候補が、次のシリーズで何の説明もなく雑魚になることはなかった。ある意味Zから超というタイミングが、一番インフレの激しい時期だと言える。インフレというより、子供の価値が暴落しただけか。

悟飯も悟飯で、ブウをぶつけられて一瞬で倒された。映画よりも酷くないか?よえーなあ悟飯。悟空が「とてもかなわない相手」と言ったノッポブウを「ウスノロ」と言っていたあの頃の悟飯ちゃんはどこさ行っただ?たった一週間の修行で超サイヤ人3に辿り着いた、天才ちびっ子どもはこの2,3年何をしていただ?

子供達が理解不能な弱体化をする一方、かつてデブブウに自爆しても尚敗北を喫した何とかいう、確かアニータだったかは、ビルスに対して悟飯やゴテンクス以上の活躍を見せた。そして嫁がビンタされたくらいでニキータは激高し、一時ビルスを追い詰めるほどのパワーアップを果たした。

怒りによるパワーアップというものを、ドラゴンボールはあまり採用してこなかった。悟空の超サイヤ人化や悟飯の怒りは記憶に強いが、それ以外ではどうだろうか。クリリンを初めて殺された時、悟空は怒った。恐らくあの時点では、生涯で一番の怒りだっただろう。しかし怒った結果どうなったかといえば、敗北である。その後確かにタンバリンを圧倒したが、別にパワーアップしたからではなく、体力が戻り、容赦しなかったからだ。

ベジータはトランクスがセルに殺された時、逆上してセルに向かっていったが、セルはダメージなど受けなかった。ビルスベジータの差と、セルとベジータの差はどちらが大きいだろうか。どちらも圧倒的な差とはいえ、セルは超サイヤ人2で何とか倒せるのに対し、ビルスは超3では倒せない。ベジータ超サイヤ人の段階を1つ上げても勝てないのはビルスの方だ。そのビルスを追い詰めたということは、「未来の息子を殺された怒りによるパワーアップ(パワーアップしてるかどうかもわからない)」より、「嫁をビンタされた怒りによるパワーアップ」の方が大きいということになる。

関係ない話だが、ワンピースも怒ってパワーアップはしない。怒りでパワーアップするのは王道といえば王道だが、「敵だって怒るわ!」と言いたい。味方陣営だけの特権じゃない。敵も怒るし味方も怒る。だから戦争はなくならないんだよ……

気のせいだと思っていた、思いたかったクリリンの18号さん付け問題は、今回気のせいではないことが判明した。あるゲームに登場する、かつて忍者のような口調だった「アスカ」という女剣士は、新作を出すにあたって「ござるはおかしいでしょ」と考える制作者の手により女口調へと変えられたことがある。

「こっちの方がいいでしょ」と思ったクリエーターは、時に横暴な設定改変をすることがあるということだろう。ドラゴンボールについても、元締めたる鳥山明氏が「原作者は自由にいじれる」という旨の発言をしている以上、諦めた方が良さそうだ。冷静に考えると、「ピッコロが下界に住んでいてたまに悟飯と食事している」という方が強烈な設定改編だ。口調の変更なんか大した問題じゃない。もっと矛盾すればいいと思う。