今週も間延びしているドラゴンボールZ #21〜23

サイヤ人が着いたこともあって概ね原作通りだが、隙あらばオリジナル要素を入れている。

アニメではサイヤ人という異星人が襲撃して来たこともその模様もマスコミによってテレビ中継され、ピッコロ大魔王が加わっていることさえ報道されていた。こんな報道をされたら戦いに加わった者達全員が有名人になりそうなものだが、セルゲーム時も相変わらず無名人だった。ドラゴンボール世界の住人は物忘れが激しいのか、物事に頓着しないのか。そもそも今回の戦いで参加者がほとんど死ぬわけだから、同じ人間のはずがない、という思い込みがあるのか。3つ目のハゲなんて早々見かけない。

ドラゴンボールの地球は、何千何万という人間が原因不明の現象によって死ぬ事件が後を絶たない。真相を知る一部の関係者以外にとっては、本当に得体の知れない恐ろしい世界であろうと思う。かつてはレッドリボン軍というならず者軍隊が世界を席巻していた。それが滅んだという噂が流れてくる頃にはピッコロ大魔王が復活した上国王の城が乗っ取られ、国王が敗北宣言まで出している。大魔王が滅んだ3年後には後継者を名乗る者が武道会に参加し、生死不明のまま消息を絶っている。

ようやく平和になったかと思えば、6年後には東の都が壊滅し、そのまた4年後には何万人もの人々がセルによって殺された。怪獣映画における自衛隊の如く軍隊は何の役にも立たない。ピッコロ大魔王の人類殲滅宣言からわずか13年後に、再びセルによって同様の宣言が行われたのである。当時の事を知らないのは20歳前後以下の子供くらいのもので、多くの者がかつての恐怖を思い出したことだろう。

悪人達による犠牲者は数だけなら病気や事故の死亡者よりずっと少ないだろうが、原因が尋常ではない。物語終盤の地球が半ばサタン教と化していたのも、不安定な世界であるがゆえに救世主を望んでいたからかも知れない。