今週も間延びしているドラゴンボールZ #20

界王により、サイヤ人のルーツについて語られた。なかったことにされる設定が多そうな中*1、ツフル人とサイヤ人の関係という設定は未だに有効である。GTにもこの設定が取り入れられ、ツフル人の生み出したベビーという敵が現れている。

「ツフル人の文明を少しずつ取り入れながらサイヤ人はだんだん数を増やしていき、やがて惑星ベジータの全てを制した」

有効だ。

「そしてサイヤ人は戦いを外宇宙に求めていった。だがツフル人を絶滅させてしまったため、それ以上の文明の発達が遅れ、戦いを求めてもさらに遠い宇宙へ乗り出すことができないと悟ったサイヤ人は、リッチで高度な文明を持つ異星人と手を打ち、その宇宙人の別荘用の星を手に入れる代わりに、文明や金を手にした」

「高度な文明を持つ異星人」がフリーザなのかそれ以外なのかよくわからないが、有効と言っていいだろう。

「惑星ベジータにも神がおった」

いわゆるゴッドのことな!

「さすがにサイヤ人の悪行に堪りかね、巨大隕石を自らの力で引き寄せ、惑星ベジータに衝突させて爆発させてしまった」

ん、ん?うん……。

アニメスタッフは果敢だ。悟空の乗ってきた宇宙船とかサイヤ人滅亡の真相とか、今後原作で使われるかも知れない素材を使って後で堂々たる矛盾を起こすところが。特にドラゴンボールのストーリーは自転車操業なんだから、「あ、この設定使えるな」と思って御大が取り入れるかも知れないのに、先に使っちゃって取り返しの付かないことになっている。

少年編でも、人造人間8号を作ったのはドクターゲロ以外の誰かだった。まさかフリーザを倒した後に、再びレッドリボン軍がピックアップされることになろうとは誰も思わなかっただろう。過去に戻って「フリーザの次の敵はレッドリボン軍人造人間20号になる!」なんて言ったら鳥山御大にすら「そんなの出すわけないじゃない」と笑われるかも知れないくらい突拍子もない展開だが、だからこそ軽はずみに勝手に設定を作るのは危険だ。

この手の矛盾の尻ぬぐいはいつもどうしているのだろうか。界王が惑星ベジータ消滅の真相を再び語る機会は今後なさそうだから、今回の矛盾は放置されそうだ。各惑星には神がいるという設定を考えると、実際惑星ベジータの神がどんな存在なのか興味深い話ではある。最長老がナメック星の神だとするなら、地球でもナメック星でも神はその星の居住者から選ばれているということになる。とすると実質的な支配者であったベジータ王が神と言えるのかも知れないが、地球では表向きの統治者は犬の国王だから、ベジータ王が神とは限らない。ただ後付けの設定とはいえ、破壊神ビルスベジータ王を惑星の代表者として接触していたことを踏まえると、やはり神としての役割を持っていたと考えることもできる。どうでもいいな。

*1:具体的には知らないから多そうと表現する