今週もひどいドラゴンボール劇場版 魔神城の眠り姫

原作にある悟空とクリリンピチピチギャル探し編を広げに広げた話で、一部を除いて全てオリジナルである。ストーリーは劇場版の続きのようで、登場人物は原作では知っているはずのことも知らないようだ。たとえば原作ではヤムチャは悟空の弱点がシッポであることを知っているが、前作の映画では知る機会がなかったので、今作で初めて知ることになる。

作風がバトルに傾く前のため、敵の親玉が変身したり、味方全員が敗れて絶体絶命に……といったお約束の展開はない。この頃の方がストーリーに自由さが感じられる。バトルとなると、山程のお約束展開を消化せねばならず、似たり寄ったりになってしまう。敵の個性やアクションの迫力で違いを出しても、大筋は同じになる。その上原作でははっきりと強さの順番が決まっているから、映画でそれが変わるとどうしても違和感が生じる。

その点この作品は悟空が一番強いといっても、クリリンヤムチャが全く追いつけないというほどでもなく、連携して戦うことも十分可能だ。そもそもバトルがメインではないから、活躍の機会はいくらでもある。

色んな要素が無理なく組み合わされている、普通の冒険活劇という感じだった。