カーボウイの兄貴また金借りに来た
でも言えないカーボウイには言えやしない
悲しくなるだけだから

(1)『カーボウイの兄貴』とは誰を指す?
A.カーボウイの事
B.カーボウイの兄の事

(2)誰が誰に金を借りようとしている?
A.(1)が歌い手(少年ボウイ)に金を借りようとしている
B.歌い手(少年ボウイ)が(1)に金を借りようとしている

(1)をA、(2)をBと解釈するような者がいて、そのアクロバティックな読解力に驚愕した。お笑い芸人が面白いと思って作った歌詞なのに、わけのわからない受け取り方をされていると知れば落ち込むのではないか。

「カーボウイの兄貴」の「兄貴」がカーボウイに対する敬称だと捉えるのは、単体の文なら仕方がない。だがその後で「カーボウイ」と兄貴を付けずに言っている。字数節約のためなら、カーボウイではなく兄貴の方を残すだろう。だいたい「カーボウイの兄貴」と「カーボウイ」が同一人物ならば、「カーボウイの兄貴、また金借りに来た」という事実をカーボウイに対して「悲しくなるだけだから言えない」のは支離滅裂だ。「カーボウイの兄が金を借りに来た事を、悲しくなるだけだからカーボウイには言えない」のである。

「言えやしない」を「カーボウイの兄貴金借りに来た」という事実を告げる事ではなく、歌詞にはない別の何かを言う事だと受け取る者もいた。なんでそんな複雑怪奇な読み取り方をするのか。