今週も間延びしているドラゴンボールZ #143

ピッコロのエネルギーを吸おうとするセルを西の都の軍隊が邪魔をするという、恐ろしく引き延ばし感満載のシーンが挿入されていた。もうザ・引き延ばしどころかジ・引き延ばしと言っていいくらいだ。
セルの生まれた次元は人造人間に滅ぼされた世界のはずだが、セルは「サイヤ人のデータは十分だったからトランクスは採取しなかった」と説明している。そしてセルに殺されたトランクスは、どういうわけかフリーザが地球に来る1年も前にタイムマシンをセットしていた。
このシリーズにおいて一番謎なのは、セルがいた次元がどういう歴史を辿ったのかということだ。担当編集やアニメというのは、こういった矛盾を追及し、可能な限り修正してあげるべきなんじゃないっすかね。野放しですね。トランクスのセットした年代については、乗ってからセットするのが普通だから、本当にその時代に行くつもりだったかどうかは微妙なところだ。それより問題なのは、セルが育児代にこだわらなかったことだ。人造人間が確実に現れる年代にするべきじゃないのか。育児代……?
セルは体を卵に戻しながらタイムマシンを操作し、蓋を閉めていた。順序から言うと当然そうなる。なかなか綱渡りの行為だ。ちょっともたついたら、スイッチを押す前に動けなくなってたんじゃないか。
悪役の「冥土の土産」は親切な情報提供に過ぎないことが多いのだが、今回の冥土の土産もまさにザ・冥土の土産だった。救援が来て殺せないならともかく、死にかけの演技で騙されたというところがマヌケだ。自分からペラペラと正体と目的を話すのもマヌケだが、他に説明の仕方もなさそうだ。研究所の地下の資料を見て発覚するというのも冗長だし、ナレーションというのも姑息(その場凌ぎ)といえば姑息。
完全な人造人間を作るために必要なのが人造人間というのも、すごいマッチポンプ感だ。セルを作ったのは、厳密にはコンピュータである。人造人間を吸収すれば完全体になるというのは、コンピュータだけではゲロの頭脳を超えることができなかったとも考えられる。実際数万人のエネルギーを吸収して、やっとゲロの最高傑作である16号と互角だった。