今週も間延びしているドラゴンボールZ #27

ピッコロが悶絶している間にクリリンが一人でナッパと奮闘する。気円斬を作戦に組み込んでいたら倒せていたかも知れないとか思ったらダメなんだろう。作戦立ててどうこうする、というのはこの頃のバトル漫画ではあまりなく、作戦を立てても大抵失敗する。ドラゴンボールでもあまり似合わない。実際に気円斬で敵を倒されても困る。

前も書いたが、ベジータが元々気円斬を使えているなら、ナッパが性質を知らぬはずはない。少なくともベジータ気円斬をナッパの前で見せたことはないし、その技の存在を教わったこともないということになる。それが不自然とは言わないが、ベジータが一度気円斬を目にしていたということを踏まえれば、大猿の悟飯に使った気円斬クリリンの技を真似たものだったと考えたい。同様にフリーザ気円斬も模倣だろう。どちらもその目で技を見ている。

ただ、悟空は気円斬を見ていないにもかかわらず、ブウに対して使っている。映画でも使っていた。あれは説明しようがない。悟空がクリリン気円斬を見る機会はかなり少ない。サイヤ人との戦いの後、悟空が入院中にクリリンはナメック星に発っている。再会したのは特戦隊との戦いの最中で、その戦いで悟空は重傷を負っている。次に再会したのはフリーザとの戦闘中で、今度はクリリンが死亡した。クリリンの復活後に二人とも人造人間対策で修行したとはいえ、クリリンが悟空達の修行に参加する余地はなかっただろう。人造人間襲撃後もクリリン気円斬を悟空の前で披露する機会は訪れぬまま、今度は悟空が死亡した。その後7年間は、当然クリリンとの接触はない。悟空がクリリンの記憶を読み取った時に知ったと考えることもできるかも知れない。ただ悟空にとって必要なのはクリリンがナメック星に来てからの経緯で、ナッパとの戦いまで遡ったと考えるのは無茶だ。辻褄を合わせようと思えばいくらでも合わせられるかも知れないが、かなり強引になるだろう。

悟空が使ったことから「全ての気円斬の起源はクリリン説」は怪しくなった。どこかで見せていたのか、話を聞いてマスターしたとも考えられるが、単に誰にでも思いつく技ということかも知れない。はるか格下のクリリンの技をベジータフリーザが真似した、というのはロマンのある話だと思うのだが、実際のところはわからない。

技の模倣といえば魔人ブウで、ブウが最後の元気玉に対してかめはめ波で抵抗していると最近気が付いた。その前の敵であるセルも最後に放った技はかめはめ波だった。後半の敵が立て続けに主人公の必殺技を使いながら倒されるというのは、かなり稀有な例ではないだろうか。