お絵描きセットを使い切る606

ひぐらし
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今度はひきこもりが言葉狩りのターゲットになったらしい。提案された新名称は「社会的距離症候群」。どういう症候群じゃい。社会的距離の症候群?ソーシャルディスタンスシンドロームって事か?ええやんけ。感染対策やんけ。紛らわしい。この時代に提唱する名称として不適切だ。

なるべく否定的なニュアンスを出したくないのだろうが、痴呆は痴呆だし、気違いは気違いだし、ひきこもりはひきこもりだ。臭いものにふたをしたって臭いものは臭い。ふたをするなという話であって、だとしたら実態に近い表現を目指すべきである。もう既に認知症には侮蔑的なニュアンスが付加されている。「お前認知だろ」で「お前痴呆だろ」と同じニュアンスになる。言葉をいくらすげ替えようとも、その事象自体がネガティブなものならば、ネガティブに使われる。確か「ニート」も本来は否定的なニュアンスを避けようとしたのではないか。だがもうすっかり侮蔑語である。だから別の言葉の言い換えが推奨されている。つまりは、言葉が汚れる度新品と入れ替えようという事だ。きりがない。

ひきこもりはネガティブかポジティブか?問うまでもない。言葉を変えても意味がない。「外に出てるからひきこもりじゃない」?社会との接点を断っているならひきこもりだ。自分も部屋から出るタイプのひきこもりだった。一人で初詣に行き、変な店に行き、ホテルに泊まり、散策して家に帰るタイプのひきこもりだった。それでも社会から孤立し、仕事も何もしていなかったのだからひきこもりだ。社会的距離症候群などではない。

コロコロと名前を変えるのならば、いっそ病名もネーミングライツにすればどうか。2022年からひきこもりではなく、たとえば「NTTドコモ症候群」にすればよい。