お絵描きセットを使い切る512

不明(不明)
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歴史小説というのは、何故どれもこれも唐突に学説や通説を持ち出しては「○○などという説もあるそうだが、理解の足りぬ憶測だというほかない」などと批判して、「僕の考えたさいきょうのれきし」を開陳する事に余念がないのか。小説の中で自分の思う歴史像を描いて良いにもかかわらず、突然歴史家気取りで歴史の講釈を始める。小説家は歴史に関してプロではない。自分なりに様々な史料にあたった上で色々と解釈しているのだろうが、歴史学者と対等に話せるだけの専門的な知識はあるまい。歴史学者批判を始め、「こう考えるのが妥当だ」などと小説の中で主張されると興醒めする。主張は史料に基づくものではなく、概ね願望であり、「そもそも日本という国はどうのこうの、民はどうのこうのだから、そんな事はない」という説得力のないものが多い。学者と作家は同じ土俵には立っていない。相撲は取れない。どうしても何か言いたいなら前書きか後書きか、小説以外の場所でやってもらいたい。なお「どれもこれも」という程小説は読んでいない。