マスク禍中は「いつまでマスクしなきゃいけないんですかねえ」的な事が言えたのだが、もはや、マスクは、現実では、禁句になっている。と、感じている。話題にする事すら叶わない。マスクについて話題にしていいのはマスク教だけである。「みんなマスクしてるから顔がわかんないんだよねぇ」とかマスクしてる奴が言ってんの。言えるの。素顔が言うと皮肉になってしまうから言えない。だがマスク付けてる奴が「みんなマスクしてるからさあ」とかマスクの弊害を語るのは完全にボケであり、「お前もしとるやないか」とドロップキックをかましてやるのが正解だとわかっている。

知り合いの中学生に「周りに外してる子いないの?」と聞く事もできない。圧力と取られるかも知れないからだ。過剰反応かも知れないが、マスク教にとってはマスクが是であり正義でありジャスティスであり信念であり利き腕でありパートナーであり十か条であり鉄則であり法でありメタモルフォーゼであり家訓であり性技であり掟であり虎の子であるために、「えっ?批判されてる?」と感じさせるわけにはいかない。マスク教を批判していいのはマスク教だけなのである。「早く外したいよねー」と言いながら外さんのだ。「いつまでつけてるんだろうねー」などと言いながら外さんのだ。この道はロンドンに通じていますか?いいえ、火曜日は燃えないゴミの日です。