今週もひどいドラゴンボールGT #53(2周目)

パンを取り込んで暴れる七星龍。詰めが甘いというか、悟空は「貴様」なんか絶対言わないセリフだろう。モノマネ芸人なら言うかも知れないが。もし原作で言っていたとしても謝らない。絶対言わないとは言ってないし。言った?言ってない。書いたんですー。

キャラクターの口調は案外統一されていない。ラオウなど一息でオレ、わし、わたしと一人称を3パターン使っていた事があるように思う。日本語の語彙が豊富な証拠だ。外国人は混乱すると思う。だが現実で実用性のあるものは少ない。僕も私も俺もどれもいまいちだ。

パンを取り込んでいる限り悟空は手を出せないと信じる龍。子供向け作品の敵にはありがちだが、人質の効果を信じ切っている。相手が甘い正義の味方だと何故か確信している。いざとなれば人質など何の役にも立たないだろう。ピッコロ大魔王も人質を取っていたが、悟空が人質を無視したとしても、ピッコロ大魔王が不利になるわけではない。この龍は違う。人質に100%依存している。相手の甘さを確信する理由がどこにあるのか?親子愛とか信じてんの?マイナスパワーの結晶が?

「今の10倍かめはめ波は10倍どころか5倍も出ていなかった」。だからあ、何の5倍なんだよ。カレーの辛さの倍というのも意味がわからない。香辛料の量が倍=辛さが倍じゃないだろう。2倍入れたからって2倍辛くなるわけでなし。

比較的冷静に見ていた2周目だが、パンを取り込んだ龍が諦めた悟空に同情し、冥土の土産としてパンを体外に少し出した。「この時を待っていた」と言ってパンを引きずり出した悟空。筆舌に尽くしがたい超ド級の糞展開だ。恥ずかしくないか、こんな話書いて。そもそも邪悪戦は悟空が一旦やられてから偶発的に逆転するパターンが多い。なすすべなくパンを殺すつもりでかめはめ波を撃った事まで芝居ではなかろう。芝居だとしたら、それで敵が最後にパンを体外に出して対面させようとすると思っていた事になる。それは計算高いのではなく予知能力である。

形勢が逆転すると、悟空が圧倒的格下の弱者を全力で罵倒し続けた。「殺しても惜しくない」というような事を言いながらいたぶり、「自分の力で戦う事もできねえのか」と挑発したかと思えば、相手が自分の力で反撃しても罵るのをやめない。「やっぱり惜しくない」などと追い打ちで更に罵倒して殺害した。胸糞が悪くなった。七星龍ではなく、悟空にである。強さ至上主義のゴミクズになっている。「なんだ自分の力でも戦えるんじゃねえか」と少しくらい見直すべきじゃないのか?

パンの力を取り込んだだけの龍に、超サイヤ人4状態の悟空が無抵抗とはいえ攻撃されて重傷を負うのが不思議だ。まあいいよ。マイナスエネルギーを帯びた攻撃には、さすがの悟空もダメージを受けると解釈しておくよ。全てはマイナスエネルギーのせい。