今週もひどいドラゴンボールGT #34

パワーだけではどうのこうのと強がりながら、大猿に手も足も出ないベビー。動きが緩慢な大猿がそれほどの強さだとは思えない。そして大猿も大御所が引き続き演じているから、声に大猿感がない。子猿という感じだ。そこはやはり、ゴリラみたいな声を出す事に定評のある声優に任せた方が良かったのではないかと思う。そんな定評のある声優がいるかどうかは知らない。

子猿みたいな声を出しながら大猿が暴れ続け、悪の親玉が手も足も出ないという緊張感のない話が続く。大猿化した悟空が暴れていてもあまり悲劇的な感じがしない。パンが理性を取り戻そうと説得するも殴り飛ばされる。しかし大してダメージを負っていない。空中に散乱した家族写真を手にした悟空は、写真を熱心に見て暴れるのをやめる。

そこで自分にとっては最低の展開という印象のある、パンの涙で悟空が理性を取り戻すというシーンになるのだが、写真を手にした段階でもう暴れるのはやめていた。記憶と違う。どちらかというと写真で理性を取り戻している。自分の記憶ではもっと悟空は暴れていたし、パンも傷つけていた。パンを握りしめて殺そうとした時にパンが落涙し、悟空はそこで初めて理性を取り戻すのだと思っていた。全然違うではないか。

思っていたより流れが淡白だ。土壇場まで暴れていたのが涙で急に理性を取り戻すのではなく、暴れるのをやめている状態で涙を見て動揺し、腕に落ちた涙を舐めた上で、自分から地球を見て少しずつ人間の姿を取り戻して行った。糞展開ではなかった。「ふーん」と受け流すくらいのシーンだった。大猿が思ったほど暴れていないし、家族の誰もさほど危機に陥っていない。だから普通に説得して普通に理性を取り戻したという印象を受けた。