今週も不安なドラゴンボール超 #51

過去風の映像を盛り込み、現代のブルマがタイムマシンを持っていても不思議ではない理由を長々説明していた。セルが言及されるのは嬉しい。過去の悪役がしっかりと各人物の記憶に刻まれている事がわかるからだ。

ブルマの両親の全てに違和感があった。外見も喋り方もだ。元々飄々としてとらえどころのない夫婦であり、特に二次創作が難しい人物ではないかと思う。外見を似せても喋り方や性格までは再現できていない。本人の魂が存在しない抜け殻のようだった。喋る内容が普通過ぎる。原作でも中盤以降のブリーフ博士は、割と普通の事しか喋ってなかったような気もする。

未来のマイはブラックに抵抗するレジスタンスだったという。Q.ピラフ一味の目的は? A.世界征服。 Q.ピラフ一味がやった事といえば? A.ピッコロ大魔王の復活。 レジスタンスとは随分と無理がある設定だな。トランクスと協力していただと?今更重火器が何の役に立つんだ?トランクスは「そんなものじゃあいつには勝てない」と活動を停止させるべきだろう。協力してどうする。

マイが未来でも若返っている理由に関しては、全く説明がなかった。そもそも本編で若い理由も、映画を除外すれば全くわからないわけだ。ピラフ達の現状に関しても言葉を濁した。所詮「トランクスの恋人としての若いマイ」が欲しいだけで、ピラフの存在も若い理由もどうでもいいのだろう。その辺のいい加減さ、強引さがこのカップルを歓迎できない理由の一つだ。ピラフとマイも並々ならぬ結びつきがあったかも知れない。決して無視して良い存在ではないのに、未来のピラフに関しては全くの無視だ。

今回の話も「荒廃した世界で銃を手に活躍するマイ」という絵が欲しかっただけなんじゃないのかと勘ぐってしまう。だからセルより強い敵に重火器で抵抗するという、無茶苦茶な設定が生まれたわけだ。あんなのでは桃白白と何とか戦いが成立する程度だろう。

ブラックの目的は「神の創った唯一の失敗作である人間をこの世から排除する事」という、クソみたいなものだった。人間をやたらに特別視するのは人間だけじゃないかね。人間なんか地球の表面で蠢いているだけの微生物に等しい存在なんだから、人間より高度な存在がいたとしたら、人間などにはムキになるまい。

人間に腹を立てるのは人間だけだ。人間を批判するのも人間だけだ。地球を擬人化して「愚かな人間達のせいで大切な自然が失われているんだ」などと言わせているのを見かけるが、地球は人間など歯牙にも掛けていない。認識さえしていない可能性がある。人間が菓子折を持って地球に「環境を悪化させたり動植物を大量に絶滅させたりしてすいませんでした」と謝りに行っても「え、お前誰?何の事?キモッ地球」と言われるのが落ちだ。

クロロットの言う「人類」とは誰の事だ?地球人じゃないんだろうから、地球人の事ではないよな?フリーザも人類だよな?次回予告を見る限り別の宇宙の存在のようだが、別の宇宙の者がわざわざ荒廃した地球の人類をいびっているのだとしたら、わけがわからん。当然その理由の説明はあるだろう。

それがない場合、クロロットが現れたのが「未来」で「地球」である必然性がないということになる。原作でミランクスが過去に戻ったのは人造人間を倒すヒントを得る事と、平和な時代も作っておく事で、セルが過去に戻ったのは完全体になるためだ。何故自分が生まれた世界ではなれなかったのか?トランクスが倒していたから。セルは本編の未来では生まれないのか?生まれる予定だったが、クリリン達によって研究所が破壊された。行き当たりばったりだと作家本人が公言していてさえ、疑問に対する答えはある程度用意されている。

クロロットが未来で生まれた理由については、さすがに何らかの説明はされるだろう、いくらなんでも。クロロットが直ちに地球を破壊しない理由も欲しいところだ。人造人間は殺戮を楽しんでいたから壊さなかったという理由が用意されていた。クロロットの目的が本当に人類殲滅ならば、とっととやれば良いのだ。チビブウのように。自然をそのままにしたいのなら、ノッポブウのようにやれば良い。でけん?でけんのけ?つまりインフレに取り残されたブウより性能が低いわけやね。

次回は「師弟再会」だそうだ。ミランクスと悟飯は師弟ではないな。不思議な距離感ではあった。対等の仲間という感じでもないし兄弟でもなければライバルでもない。サイヤ人でも両者にライバル意識は全くないだろう。どちらが強かろうと、どちらかがセルを倒せるならそれで良いと思いそうだ。何となく他人行儀な感じもするが、赤の他人ではない。強いて言うならいとこっぽい。