今週も間延びしているドラゴンボールZ #85

先週で実力差は明白になっていたが、前半はそれでもベジータフリーザの戦いが続き、原作にはないエネルギー波乱射シーンで随分時間を使った。ベジータが泣いた時のナレーションは、界王による解説に変わっていた。いきなり界王が「生まれて初めて」とベジータの生涯を語り出すのは不自然だが、ナレーションが珍しい漫画だから仕方ないのか。ピッコロ達が動けなかったというところも当然界王による説明である。時々語尾に「じゃ」は入れられてはいるものの、唐突且つ普段の口調とは違うから、やはり違和感があった。

ベジータはここで泣いてしまったせいで、以後頻繁にアニメ(劇場版含む)スタッフの手で泣かされている。別に泣き虫ではなかろうに、一度泣いただけで泣き虫キャラという烙印を押されるわけだ。一度うんこを漏らすと、同級生からは永久にそのエピソードを引き合いに出されるのと同じか。泣いたのはベジータだけではないが、悟飯は子供だったし、ピッコロも死に際という特殊な状況だったから、それ以後泣かされてはいないと思う。ベジータの場合は大人になってから、且つ恐怖という汎用性の高い理由だけに、「よし、ここでベジータを泣かせよう」と気軽に考えられてしまうのだろう。

海に落ちたベジータにまとわりついていたカニを、フリーザが手に取って食べていた。よくわからぬシーンだ。お腹がすいていたのか。そもそもフリーザが他の生物を摂取する生物かどうかもわからないが、それはともかく、踏み潰すかエネルギー波で消すくらいのことをするかと思っていたから、食べた時はびっくりした。このシーンは一体何を訴えたかったのか。フリーザの不気味さだろうか。人型の宇宙人を食っていたベジータの方が不気味だ。