今週も間延びしているドラゴンボールZ #3

今回も概ね原作通り。間延びも特に感じない。ラディッツは割と気を使って悟空と交渉しているように思える。普通ならサイヤ人としての任務を忘れ、シッポもなくした上に戦闘力が500にも満たない弟など殺しそうなものだが、それでも仲間に引き入れようと必死だった。
家族に対する愛情などないはずのサイヤ人が、何故ああまでして悟空を仲間にしようとするのか。さすがに絶滅危惧種になって、多少身内に対する情も芽生えたのだろうか。そうだとしても不思議はない。動けないサイヤ人だからといって、助かる見込みのあったナッパを殺したベジータの行動の方が不可解だ。ただナッパは年齢的にあれ以上強くなれない可能性は高かったし、ベジータのように戦闘力のコントロールを会得したとも思えない。ベジータが殺さなかったとしても、ナメック星で死んでいただろう。
情などではなく、ラディッツが自分より格下の仲間を欲しがっただけのことかも知れない。ナッパとベジータは、どちらもラディッツに比べて強さも地位もはるかに上である。下級戦士のラディッツに対し、ナッパは名門出のエリートで、ベジータに至っては王子である。何を言われても逆らえない。強さでも敵わないのだから、馬鹿にされても文句の一つも言えない。ラディッツとしては非常に肩身が狭い思いをしていたわけだ。そこに一番弱いカカロットが加われば、少なくとも自分が一番下ではなくなる。ラディッツにそんな卑屈な考えがあったかどうかは知らないが、純粋に戦力になるから、という狙いだけだったとは思えない。
悟空は偶然頭をぶつけて記憶を失ったが、記憶を失っていなければどうなっていたのだろうか。こういう妄想は面白い。地球はレベルが低いとはいえ、幼いサイヤ人が楽勝で滅ぼせるほど甘い星ではない。現に大猿になってサイヤ人の本性を発揮しても、二度とも誰一人殺すことなく人間に戻されている。桃白白やピッコロ大魔王といった強敵を倒せたのは、地球の神やその配下に助けられたからだ。サイヤ人のままだったらその助けも得られない。修業や超神水なくして、果たして地球一の強さになれたかどうかは疑問だ。ただ記憶を失ったことで、力も失ったという可能性もある。当初の悟空は12歳になっても、天下一武道会の出場レベルにさえ満たない有様だった。さすがに弱すぎる。