男の娘ブームにうんざり

最近のアニメは当たり前のように「女しかに見えない男(オタク業界では男の娘などという表現するようだが)」というキャラクターが登場するようになっている。昔からいるにはいたが、所詮それは変化球だった。ところが今やどのアニメにも一人はいるお決まりのキャラクターになりつつある。

男に欲情するのも女に欲情するのも勝手だが、「女にしか見えない男」への欲情は倒錯していると言わざるを得ない。ショタコンは女装少年が好きなわけではないし、ロリコンは男装少女が好きなわけではない。中にはそういう性癖の者もいるだろうが、決してそれは多数派ではないし、多数派であってはならない。女装少年好きのショタコンや、男装少女好きのロリコンは少数派の中の少数派、究極のマイノリティであろう。であった、というべきか。オタクはもはや「男でも女でも可愛ければ何でも良い」という歪んだ価値観を持つに至った。むしろ異性、同性への恐怖心から、「男の方がいい」まで考えている者もいるだろうし、性別上男なら合法的に裸を見やすい、とも考えているのかも知れない。

サブカルチャーにおいて、美少女と美少年の顔は明確な描き分けがされていない。記号として乳が膨らんでいるかどうかという違いがあるだけで、乳を萎ませればもはや美少女か美少年かは全くわからなくなる。したがって体型では性別が断定できない美少女が登場した時、もはや男だと疑ってかかるべきで、最近のアニメでは事実概ね男なのである。

例を示そう。


男である。


男である。


男である。


男である。


女である。


男である。


女であると見せかけた男であると見せてその実女である。


男である。


男である。


男である。

本当にうんざりしている。私は女が好きなのだ。可愛ければ何でも良いわけではない。さぶカルチャー業界では、さぶがゆえにマイノリティがデカい顔をして歩いているから困ってしまう。可愛いなと思ったキャラクターに限って男だというパターンには辟易している。ときめきを返して欲しい。

「アニメなど所詮絵なのだから性別など関係ないだろう」という意見もあるだろうが、断固それは譲れない。たとえただの設定であろうと、男に欲情することなどあってはならない。「可愛ければ何でもいい」という領域には絶対に踏み込まない。そこに踏み込んでしまったが最後、何でもアリになってしまうからだ。こんなことに難しい理屈などいらない。男は嫌、というただそれだけのことだ。

自分のようにアニメを絵しか見ない層(そんな層があるのかは知らないが)にとっては、キャラクターの外見だけが判断材料なのである。ところが女にしか見えない男が増殖してくると、毎回公式ホームページなどを見て性別を判断しなければならなくなる。書いていなければもはや全くわからない。

体型がはっきりしないキャラクターの男率は恐ろしい高さになっている。もう100%と言っても良いかも知れない。声など一切聞いていないのに、早送りなのに、「こいつ男じゃねえの……」とわかるようになってきた。上に示したアニメも、ほとんどキャラクターの名前はおろかストーリーさえ一切知らないが、絵を見て女男かどうかだけは何となくわかった。最近のこの酷い風潮が一人の人間を、絵を見ただけで男かどうか判定できるふざけた体質にしてしまったのだ。まさに悲劇と言えよう。頼むから、もう少し減らしてくれ。